カルモチャン寺院
Kalmochan Temple
玉ねぎ形ドームを載せたムガール風の寺は、カトマンズの建築がネワール様式だけではないことを物語る。
川辺に現れた異国風の輪郭
カルモチャン寺院は19世紀、ラナ期の河畔に建てられた白い寺院で、玉ねぎ形ドームなどムガール建築を思わせる意匠を持っていた。重層屋根やシカラ塔の多い市内では異色で、当時の支配層がインドや欧州の様式を選択的に取り込んだことを示す。
2015年地震で大きく失われ、その後の状態や再建段階は時期によって変わる。古い写真の姿を現在も見られると断定せず、現地の工事案内と文化財情報を確認する。残存部、新設部、空地を分けて記録したい。
失われた建築を想像で完成させない
現場では旧写真や図面があれば、ドームの高さ、正面の軸、川との距離を照らす。外見の珍しさだけを「イスラム風のヒンズー寺院」と消費せず、ラナ期の政治文化と建築交流の文脈で見る。寺の祭神や用途は現地説明を優先する。
トリプレシュワル寺院、ダラハラ、バグマティ河畔をつなぐと、19世紀の都市改造と宗教建築の多様性が見える。工事柵を越えず、交通量の多い道路で撮影位置を探し回らない。公開状況が不明なら遠景だけに留める。