ローハン・チョーク
Lohan Chowk
四隅の塔に盆地の都市名を背負わせた王宮中庭。征服後の地理を、建築で所有し直した空間として見る。
四つの塔が描く政治地図
ローハン・チョークを囲む塔は、カトマンズ、キルティプル、バクタプル、パタンなど盆地の都市を想起させる名で語られる。ゴルカ勢力が盆地を統合した後、旧王宮の内部に各都市を象徴する塔を置いたと見ると、装飾的な塔群が政治地図に変わる。
一つずつ見上げると、屋根の段、張り出す窓、各階の高さに違いがある。中央から四隅を見比べ、どの塔がどの方向に立つかを確認したい。王宮の増築は古いマッラ建築を消すのではなく、その上に新しい支配の物語を重ねた。
震災後の新旧材も見どころ
2015年地震では塔の上部などが大きく被災し、修復が続いた。現場で色の新しい木材や補強が見えても、安易に「偽物」と決めつけない。伝統工法、再利用材、耐震上の措置がどこで組み合わされたかは、案内板や公式資料と照らして見る。
ネイザル・チョークから順路に沿って入り、可能ならバサンタプル塔の公開状況も確認する。中庭からの見上げと上階からの俯瞰を比べると、塔が外の都市景観と内廷の双方へ顔を持つことが分かる。狭い階段や閉鎖区画では係員の指示を守る。