ティラウラコット
Tilaurakot (Kapilvastu)
釈迦が出家前を過ごしたシャーキャ族の都カピラヴァストゥに比定される城郭遺跡。門、土塁、堀が一人の生涯を都市史へ広げる。
王子の物語から城郭都市へ
ティラウラコットでは、東西約305メートル、南北約488メートル規模の城郭域を、土塁と煉瓦の防壁、外濠、門、道路の痕跡が囲む。発掘では紀元前8~7世紀ごろまでさかのぼる居住層や土器が確認され、釈迦の幼少期の都カピラヴァストゥに比定する考古学的根拠が積み重ねられてきた。
西門を「出家の門」とする説明は巡礼伝承として大切だが、門の考古学的機能と同一ではない。宮殿の完成復元を期待せず、盛土の高低、濠の幅、門から伸びる道を追うと、城内外を制御した都市構造が見えてくる。
周辺遺跡を含めて半日以上
ルンビニから約29キロで、ティラウラコット単独より、クダン、ゴティハワ、ニグリハワなど大ルンビニ圏の遺跡を車で結ぶと理解が深まる。遺跡ごとの説明は限られるため、博物館や公式ガイドを先に利用したい。
盛土や発掘区へ入り込まず、煉瓦片を拾わない。乾季は砂埃と日差し、雨季はぬかるみに備える。ここはユネスコ世界遺産に登録済みではなく、ネパールの暫定一覧に載る候補地である。表記上もルンビニ本体の登録範囲と混同しない。