シン・サッタル
Singh Sattal
カスタマンダプの隣に立つ巡礼者の休み処。余り材の伝説から、寺ではない公共建築の役割を知る。
旅人を受け止めた多層の館
シン・サッタルはシル・サッタルとも呼ばれ、巡礼者や旅人が休むための公共的な館として理解される。カスタマンダプの余り木で建てたという伝承があり、二棟を兄弟のように結びつける。伝説の真偽より、巨大木造建築の材を無駄なく使う価値観が語られた点が面白い。
寺院のような屋根を持っていても、主な役割は滞在、集会、休息に近い。開放的な一階、柱の間隔、通りから上がる段を見れば、人が留まることを前提にした構成が分かる。宗教都市を支えたのは本堂だけでなく、こうした宿泊・休憩のインフラだった。
二棟を離さずに見る
カスタマンダプ、アショク・ビナヤク、マル・トレと一続きに歩く。カスタマンダプの再建材や柱構成と比べ、伝承が何を共通点として語ったか考えるとよい。地震後の修復で公開範囲が変わるため、内部へ入る場合は現地案内を確認する。
基壇や日陰は今も休憩に使われる。長時間場所を占有せず、眠っている人や商売をする人を撮らない。木部へ寄りかかったり彫刻に触れたりせず、雨天は石段の滑りに注意する。建物を背景にせず、誰のための空間だったかまで記事に残したい。